Jazz-Love Notes

スタンダードの魅力再発見「JAZZ-Love Notes」

白黒の画面に登場する歌姫とミュージシャンたち。
聞こえてくるのは、一度は聞いたことがあるようなスタンダードナンバー。
1回1曲、余計なおしゃべりはなし。 テレビの中にジャズクラブが引っ越してきたような雰囲気だ。
演奏しているのは、音楽ユニット「ラブ・ノーツ」。
ジャズトランペッター、チェット・ベイカー(1929-1988)が晩年作ろうとしたバンドと同名だ。
チェットの音楽精神を継承しようと、トランペットのHiro川島と、ボーカルの井上真紀が、 89年に結成した。
番組も、チェットの生誕70周年にあたる昨年10月、スタンダードの魅力を再発見してもらおうという狙いで始まった。

プロデューサーも兼ねる川島によると、主役はあくまでも「音」。
だから、引き立て役の映像はモノクロで、スタジオから小道具などはあえて排除した。
一方で、訳詞の字幕表示は、歌への理解の手助けになっている。
番組最後に英語のメッセージが入ることもある。
これはラブ・ノーツの芸術表現やジャズにまつわる考えをまとめたものだ。
とても簡潔なので、自分なりの解釈をめぐらすのも楽しい。

情報の洪水に慣れきった身には少しそっけないかもしれないが、
にぎやかな番組が多い深夜番組帯にはめずらしく、ほっとやすらげる。
見ているうちに、なぜかグラスを傾けたくなるのは、番組の長所なのか、短所なのか―。(恩)

[読売新聞 2000年1月5日夕刊 p.6 「深夜番組たんけん隊」


スタンダードの魅力をもう一度

故チェット・ベイカーに捧げる“想い”から企画されたアサヒ黒生提供の
「JAZZ - Love Notes」が静かな話題となっている。
スタンダードが、心に語りかけてくる。
冒頭の「チェット・ベイカーに捧げる」というテーマから始まるモノクロームの映像は、なかなかお洒落だ。
演奏では、ラブノーツのリード・ボーカル、井上真紀がとても印象的で、味わい深く、新鮮に感じられる。
また、シンプルな訳詞は、スタンダードの魅力のひとつである
自由な歌の解釈を見る者ににゆだねる。そこもまた、魅力的だ。
毎週金曜日の深夜のわずか10分たらずの映像が、少し疲れ気味のこころをつかの間、癒してくれる。
アサヒ黒生と一緒にどうぞ!

[夕刊フジ 99年12月15日 p.22]


話題を集めるテレビ東京の新ジャズ番組「JAZZ - Love Notes」

10月から毎週金曜夜12時35分〜45分にテレビ東京でオンエアされている
新番組「JAZZ - Love Notes」が、いまジャズ・ファンの間で話題を集めている。
「チェット・ベイカーに捧げる」というテーマから始まるこの番組は、ボーカルの井上真紀を
フィーチャーした「ラブノーツ」が、毎回ジャズ・スタンダードをお洒落な演奏で披露するという内容だが、これまでのジャズ系番組と異なるのは、モノクロームの美しい映像やシンプルな訳詞によって、ジャズのパフォーマンスをとにかくソフィスティケイトに演出してみせていること。

ラブノーツは1989年に結成されたジャズをベースにした音楽グループで、リードボーカルの
井上真紀の実に素直な歌唱法と涼し気な表情が、この番組での魅力ポイントのひとつとなっている。
10分足らずの映像だが、ジャズスタンダードがこんなにも「心」に語りかけてくる音楽だったのか
ということを、改めて認識させてくれる番組といえよう。

[Swing Journal 99年12月号 p.107]


要チェックのTV音楽番組

毎週金曜日、新聞のテレビ欄右下に、“JAZZ”の4文字があるのをお気づきだろうか。
これがジャズ・ファンの間で噂になっている番組「JAZZ - Love Notes」だ。
その内容は、ジャズ・ユニット“Love Notes”が井上真紀のウィンディ・ヴォイスをフロントに据え、
毎回一曲スタンダードを演奏するというもの。

この新番組を企画したのは、グローバル・メッセージ・ユニット“ラブノーツ”。
彼らは“国際イルカクジラ会議”やNHK教育TV『アロハ・フラ』への出演、
またCMのキャンペーンソングなど、既存ジャンルに捕われずに独特のサウンドを制作してきた。
チェット・ベイカー生誕70周年を記念し、彼らの名付け親でもあるチェットへの
ディディケーションを示す番組だという。
そしてこの番組を通じて、スタンダードの魅力を多くの人と分かち合うことを望んでいる。

したがって主役は“演奏者”ではなく、毎回採り上げられる“曲”そのもの。
モノトーンの雰囲気たっぷりの映像、ライヴ感覚を生かした繊細な音作り、
トータルなファッション・クオリティ等、今までの音楽番組とはひと味違う新鮮さを醸し出している。
スタンダードのメロディは知っているが歌詞の内容までは知らなかったという人や、
ジャズに難解なイメージを抱いていた人達にも抵抗なく触れてもらえる。
そんな番組が今、東京から発信開始。

[ADLIB 99年12月号 p.88]

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